家計の資金運用スタンス

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家計の資金運用スタンス

2009年09月16日

 今回のインフォメーションはこれまでと少し趣を変え、家計部門の資産運用スタンスについて言及したいと思います。ユーザー商品取引員様におかれましては、家計部門の資産運用スタンスが営業業績に直結しますし、それを基にした営業戦略を練られると思いますから、非常に興味深いものではないでしょうか。ご参考になれば幸いです。

 2009年3月末の家計部門の金融資産残高は1410.4兆円で前年度末比54.1兆円減少したと大手金融機関総合研究所が発表しています。減少の主因は株式相場下落が最大で41.3兆円でした。次いで投資信託の18.0兆円の減少、全体では69.4兆円の減少になっています。しかし、資金フローは意外にも15.3兆円の増加であり、金融危機が家計に与えた影響は大きく、財布の紐が硬くなったことを示しています。

 一方、気になるリスク性資産の割合は2007年末の20%をピークに、2008年度末は11%まで低下しており、家計はリスクを取ることに躊躇していることが伺えます。05年以降、商品先物取引の売買高が減少していますが、その原因は法律改正による勧誘規制の強化だけではなく、家計の資金運用スタンスの変化にも見出せます。

 2009年度に入ってからは株式市場の改善が進み、日経平均も10000円台に載せたことから、家計の資金運用スタンスにも改善が見られるようです。特に投資信託と外国為替証拠金取引への資金流入が進み始めており、6月までの3ヶ月間は連続してリスク性資産の割合が増え続けており、家計の意識の面から見ればフォローの風が吹いているものと思われます。

 今回のトピックスにも記しましたが、商品先物取引と同じ証拠金取引の為替取引は、預かり証拠金自体は減少したものの、口座数は2009年3月期の1年間に55.3%増えて192万口座になっています(大手経済研究所発表)。また、取引高は1641兆円で前年比169.4%もの大幅な伸びになっています(同)。 外国為替証拠金市場にはもう一つ大きな特徴が見られます。

 08年度半ばまでは日本の低金利傾向が続いていることから「円買い」スタンスで、金利差でスワップ料を求めるポジションを維持する傾向にありましたが、08年度末以降は「円売り」取引も大幅に増加し、「円買い」「円売り」のポジションはほぼ同水準になっているようです。このことは「売り」「買い」ともポジションが取れる商品先物市場にとっては朗報ではないでしょうか。

 これまで、日本人は投資において「売り」ポジションを持ちたがらないと考えられていました。従って、証券会社や商品取引員は、将来的に価格が上がることを前提にした営業を行なっていました。しかし、為替市場で「売り」を多くの人が経験していることは、例え新規の顧客であっても値下がりを期待する営業も可能になるということになります。商品先物取引が巻き返すチャンスが近づいていると考えます。是非、商品取引員様も「売り」を活用して頂きたいと思います。