【第34回-1】
東京穀物商品取引所 畑野 理事様
今回から東京穀物商品取引所畑野理事様にご登壇いただきます。畑野理事は調査部を担当されており、商品取引員との接触も多い方ですから、商品取引員の皆様にもご興味のある話が伺えると存じます。 |
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| オーテック | ―商品取引業界は大きな変革期の中にあり、非常にお忙しくお仕事をされていると存じます。最近は食の問題も度々発生している上に、相場も大きな動きが見られますから、農産物を上場している取引所の理事としてはご苦労が絶えませんね。ご担当されている部門の仕事についても併せてお聞かせ下さい。 |
| 畑野理事 | このところ中国産の野菜、加工食品の薬物混入、コメや食品に関する偽装などから食に関する安全、他方で石油価格の高騰からバイオ燃料の農産物原料のニーズなどからトウモロコシ、大豆などの価格の乱高下から価格の安定の問題が過去に例のない注目を浴びています。こうした最中、農産物、砂糖を上場している東京穀物商品取引所を通じて食の問題に関わることに従事しているのは幸いです。 |
| 私の職務は、調査部担当理事として、会員全般に係る管理、会員加入の促進に携わっておりますが、ここにきて受託会員の事業譲渡や業態変更等の業界再編に係る相談が急増しています。これは、商品先物業界が歴史的な転換期を迎えている証と言えるでしょうね。 | |
| オーテック | ―現在はとうもろこし等の穀物、コーヒーや砂糖が上場されていますが、今年は大きく値が動いているようですね。商品先物取引の値動きの要素はどのようなものがあるのでしょうか。お教え下さい。 |
| 畑野理事 | 価格乱高下の背景にある基本は需給の関係ですね。まず、トウモロコシ、大豆の大局的な需給は1970年代前半の食糧危機と同じように深刻と言えます。2006年の世界的な異常気象により小麦の大幅減産で、まず小麦が高騰し、トウモロコシ、大豆に波及し3商品とも2008年に過去最高値を付けました。また、2008-09トウモロコシの世界在庫率は12.5%、国連食糧農業機関(FAO)が設定している安全在庫率15%を大きく下回り、大豆も16.3%まで低下しています。アメリカ国内はさらに深刻で、在庫率はトウモロコシ8.1%、大豆4.6%と危機的な需給ひっ迫とも言える状況があります。 |
| 次に最近の大きな変動要因としては、昨今のアメリカ発のサブプライムローン問題がありますね。特にアメリカでは先行きの不透明さから証券・金融市場からファンド資金が逃げ出し、コモディティ市場に流入しました。その結果、石油関係、そして穀物が急騰し続けました。ところが、一転してアメリカ経済の金融不安からドルが大幅に下落、リーマンショック等も重なって価格が急落へと向かうなど需給以外の大きな要因もあり乱高下しました。 | |
| 加えて、石油高騰のあおりを受け、バイオエタノールなど需要増が、原料となる穀物等の価格に影響を与えました。そして、国の内外の飼料価格も高騰したため畜産農家への打撃が大きかったのは周知の通りです。 | |
| 米国の穀物市場は証券市場の1%程度の規模と言われており投機資金が大量に流入出することで価格の乱高下が加速してしまうのです。したがって、農産物の需給ひっ迫が短期的に劇的に改善されることは難しいとされておりますが、証券、金融、為替、住宅(不動産)価格及び石油市場が落ち着くまでは、これらの要因が複雑に絡み、今後も価格の乱高下は続くと言われています。やはり、とりわけ金融が安定しないと経済活動は安定しないのではないでしょうか。こうした最中、農産物の生産・流通に係るリスクに関して、商品先物市場の機能を上手く活用して頂ければ幸いです。 | |
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