【第34回-3】
東京穀物商品取引所 畑野 理事様
今回も東京穀物商品取引所畑野理事様にご登壇いただきます。今回は旬のプロ・アマ問題や、システム化の問題、日米の違い等、多岐に渡った非常に興味深いお話を伺っています。ご期待下さい。 |
|
| オーテック | ―最近はプロとアマの問題も取りざたされていますね。どのようにお考えですか? |
| 畑野理事 | 産業構造審議会商品取引所分科会でのプロとアマの議論は、委託者の苦情等が発端のようですが、プロとアマの境目については意見が一致していないようです。プロや当業者のみで市場の厚みと流動性は確保できないことは歴史的事実ではないでしょうか。 |
| アマでも当初は小口化商品、ロスカット、ネット取引で参加して、いずれ本格的にコーンや大豆などの商品の対面取引へ進むプロセスもあるところ、それを入口で個人だから取引させない方がよいと言う考えは、やはり自由主義経済の象徴である商品先物市場においては適当ではないと考えます。やはり、取引員の説明義務と顧客の自己責任に基づく取引参加が最大のポイントではないでしょうか。 | |
| 初心者には相応の対応が必要ですが、産業構造審議会商品取引所分科会で消費者関係委員から「日本人は契約の概念が薄い」旨の発言には、社会生活の中で自己責任の認識がなくてもよいのか、例えば保証人になった人の自己責任は無くてよいのかと驚かされるばかりです。 | |
| オーテック | ―もう一つの避けて通れない問題は取引のシステム化があります。世界標準化という言葉も耳にしますし、経済のグローバル化が変化を余儀なくさせていると思うのですが、東京穀物商品取引所の取り組みを差し支えない範囲でお教え下さい。 |
| 畑野理事 | 現在の取引システムの安定稼働に努めているところですが、世界の取引所の取引システムの統合・再編が急速に進んでいる中、本所では先の通常総会で今後の事業計画で東京工業品取引所の世界標準の次期システム(OMX)との統合について検討することとなっております。リモートメンバーシップ制度の導入などもテーマになるでしょう。 |
| しかし、24時間取引等より、取引参加者会員にしても、東京工業品取引所にしても採算が合うものかを見極める必要もあり、さらに本所のコスト負担も見極める必要があると考えています。 | |
| オーテック | ―東京穀物商品取引所の場合は“コメ上場”も避けて通れない問題ですね。日本人の主食ですし、投資家の期待も大きいと思うのですがどのような進捗状況でしょうか。 |
| 畑野理事 | 政府のコメ政策が平成22年までに「米づくりの本来のあるべき姿」の実現を目指しているところですから、来年には色々なことが明確になってくるのではないかと考えています。 |
| 一方で、農林水産省は「全国米穀取引・価格形成センター」の価格を米の指標価格と位置付けてきましたが、新聞報道によれば、同センターは取引も極端に少なく機能不全に陥っており、同センターの廃止論も出ているようです。従って、コメの指標価格等が求められていることから、来年には色々なことが明確になってくるのでしょうし、本所は当然、実現に向け努めてまいります。 | |
| オーテック | ―日本の商品先物市場と米国の商品先物市場の違いは何でしょうか。 |
| 畑野理事 | 日本の農業にも、米国のように農産物に係る国家戦略が必要ではないでしょうか。米国は、中国に食肉の需要を拡大させて、中国へ家畜に必要な飼料原料であるトウモロコシ、大豆(ミール)などの大幅な輸出増加に成功したことは事実です。 |
| さて、ご質問の日本の商品先物市場と米国の先物市場の根本的な違いは、日本ではリスクヘッジや先行指標価格などの商品先物市場の機能を活用することが浸透していないことや農業政策に活かされていないのに対して、米国では農業政策と先物市場がリンクしている、上手く活用されているということではないでしょうか。 | |
| 関連して、我が国の食糧の自給率30%は危機的水準であり、生産国と消費国の力が逆転している状況下、単なる農家に対する補助金のバラマキではなく、かつてのイギリスのように自給率30%から70%に高められるように農業育成のための補助金、戦略的な補助金とすべきではないかと考えています。 | |
|
|

サイトマップ




