【第34回-4】
東京穀物商品取引所 畑野 理事様
東京穀物商品取引所畑野理事様もいよいよ最後のご登壇となりました。最終回の今回は、商品先物取引業界の将来を中心に、東京穀物商品取引所の歴史や現在の取り組みもお伺いしています。畑野理事様には貴重なお時間を頂戴し、多くのことについてお話をお伺いすることが出来ました。心より感謝申し上げます。 |
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| オーテック | ―この10年は商品先物取引業界にとって大きなイベントが沢山ありました。手数料自由化や抜本的な法律改正が主ですが、非常に厳しい状況を招きましたね。如何お考えですか。 |
| 畑野理事 | 2005年の法律改正でコンプライアンス等が強化され、行政処分も厳しなったことから、ネガティブな印象を持っている方が多いようですね。やはり、商品先物市場は産業インフラとして位置づけられていることから、行政側におかれましては育成という政策をもっと打ち出し、規制と育成のバランスをとって頂きたいですね。委託者保護ガイドラインについては、誤解や分かりにくい点があるようですね。例えば説明と勧誘の違いについては、商品取引所法と同等の委託者保護措置がはかられている金融商品取引法においても明らかであることから、主務省においても大きな勘違いがあるのではないか。 |
| また、どういうわけかサブプライムローン問題が表面化した頃から出来高が低迷していますが、取引参加者の多様化、国際標準の取引の利便性などについて整備していけば、必ず商品先物市場は復活すると考えています。加えて、近日、投資信託の基礎的構成品目に商品先物市場の上場商品が組み込み可能になることや、銀行が商品デリバティブ取引を扱えるようにもなることから、将来は明るいと考えています。現在の苦しい時期を、皆さんと一緒に何とか乗り越えていきたいと思います。 | |
| オーテック | ―非常に抽象的なご質問で申しわけありませんが、今後の5年後、10年後の商品先物取引業界はどのようになっていると思われますか。 |
| 畑野理事 | 先般のリーマンショック等で誰もが認識したように、世界はボーダレス化、グローバル化しており、一か所で起きたことがあっという間に世界中に影響を及ぼす時代であります。我が国の商品市場は、競争力強化と委託者保護が課題ですが、中国やインドなどのアジア諸国も益々経済発展を遂げるものと予測されることから、市場の利便性及び流動性の向上、幅広い商品の品揃えをすることにより、アジアにおける中核市場になると考えています。 |
| また、一般論として、株式と商品先物の価格変動の相関は低いということが過去の経験から分かっています。両方の資産を持つことで実際のリスクを小さくすることができますので、証券市場と商品市場の融合がもっと促進していると考えられます。 ご質問は5~10年後の姿を問われていますね。5~10年後ですと、諸外国のように同一取引所で金融・証券・コモディティの先物取引が行われると予測されます。所謂、総合取引所が誕生し市場は大きく発展していることでしょう。加えて、欧米における取引所の動向のように日本の取引所も国際的な統合等へと大きく進展している可能性もあるのではないでしょうか。 | |
| つまり、国策を考えた場合は、これは農林水産省、あれは経済産業省、或いは金融庁だのと管轄争いを論じている場合ではなく、取引参加者の利便性と魅力ある商品を増やす趣旨の総合取引所の流れは避けて通れないと思っています。 | |
| オーテック | ―オーテックのホームページは非常に多くの方がご覧になっております。是非とも東京穀物商品取引所のご紹介をお願いいたします。 |
| 畑野理事 | 本所の所在地は、西郷隆盛公の屋敷跡だったと聞いております。比較的に新しいビルですが、イオニア式といいますか柱の御影石などは歴史を感じて頂けるでしょう。近代的な商品先物取引は日本がもっとも古くて、大坂・堂島(米会所)で行われた米取引が1730年といわれていますから将軍徳川吉宗のころです。まもなく江戸の日本橋でも始まりました。アメリカのシカゴ商品取引所の誕生が1848年ですから、日本が一世紀以上も先行していたことになります。 |
| 本所は明治7年8月、コメの先物取引のために設立された中外商行会社を源として、昭和27年9月に農産物の先物取引を行う取引所として新たに設立され、同年10月10日から戦前の東京米穀商品取引所の建物で取引を開始し、現在の建物は昭和62年11月に新築されました。開所当時は国内産大豆、小豆、馬鈴しょでん粉の3商品で取引を始めましたが、現在では、とうもろこし、Non-GMO大豆、一般大豆、アラビカコーヒー生豆、粗糖など様々な商品が取引されています。このような歴史からして、コメの上場は、先祖返りと申しますか必然性のある商品と言えます。 | |
| 本所の伝統を大切にしつつ、食糧の自給率向上など、日本の農業政策や食糧政策の一躍を担えるよう、市場の利便性・信頼性の向上を通じた競争力強化に向けた取り組み、時代に適した体制・環境整備を実現に努めていきたいと考えています。具体的には、会員加入促進の環境整備の一つとして会員となるときに必要な加入金を800万円、受託会員となるときに必要な加入分担金を農産物市場4,000万円、砂糖市場1,600万円へと大幅な引下げ(既に本年6月実施/持分は所定の返戻制度)、株式会社組織への変更、コスト負担に留意しつつ東京工業品取引所の次期システムとの統合、スパン証拠金制度の導入、東穀農産物指数の活用などの検討、そして一般投資家、食品関連業者(当業者)への広報・マーケッティング活動の充実や外務員への啓蒙・啓発などを、スピード感を持って、コツコツと丁寧に積み重ねて行くことが特に大切なことと考えております。 | |
| また、将来を担う若い方、学生の方、投資家をはじめ皆様におかれましては、是非とも、東京穀物商品取引所のホームページをご覧いただき、活用して頂ければ幸いです。 なお、本所をはじめ商品先物業界も大きく変革していくと思います。本所はまず生活と直結している商品を大切にしつつ、オーテックさんをはじめ業界の皆様とともに環境変化に対応して参る所存でありますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。 | |
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