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インタビュー【第36回-3】

オーテック株式会社によるインタビュー。

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【第37回-3】FIAジャパン 茂木 様

  引き続きFIAジャパンの茂木副理事長にお話を伺います。今回は日本の商品先物市場の現状等について詳細にお話を伺っています。今回は流れを重視することから、3つの質問に対しての回答を纏めさせて頂きました。非常に興味深いお話であり、同時に非常に勉強になるお話です。ご期待下さい。

オーテック

―日本の商品先物市場は96年をピークに預かり資産が減少し続けています。また、04年をピークに売買高も大幅に減少しています。様々な原因があろうかと思いますが、代表的なものを理由をつけて幾つか上げてください。

―お示しの通り、05年の法律改正による勧誘規制の強化は、非常に大きなインパクトを与えました。しかし、海外の流れをみれば容易に推察することが出来ました。当然ですが、そのときにビジネスモデルの変換も求められていたと思います。それが、出来なかったということだと思います。何か原因はあるのでしょうか。

―今までお話していただいたものに重複するかもしれませんが、「商品先物取引業界の課題」は、ずばり何だと思われますか?

茂木様

 取引出来高衰退の話は原因追求に終始するのでなく背景を分析する事により、原因から学ぶ姿勢がより重要であると考えお答えします。

 三つの質問に対し共通するマクロな問題点は市場参加者の意見を前向きに取り上げられない縦割り先物行政に起因する所が大きいと考えます。無論商品先物界にあっては歴史的に見て業界の自主的努力にも大きく起因する事は歪めない事実でもあります。縦割り行政がもたらす市場発展に関わる弊害は多岐に渡り、本インタビューにおいて全てを網羅することは不可能でありますものの、列記するのであれば(1)商品設計、(2)市場設計、(3)委託者及び市場参加者保護、(4)精算取引機能、(5)市場会員構成、(5)取引所運営方針、(6)会員営業姿勢、(7)国際的認知度などなどが考えられますが、最も重大な欠陥は受託業者の取り扱い可能商品が極めて限定された上場商品であったことです逆接的に捕らえれば一元化された先物行政下における市場及び業界の発展は、少なくとも国際経済環境におけるわが国の位置付けにリンクする現状の姿にあったのではないかと判断します。

 直接要因として考えられるミクロな問題点は、市場流動性の根源を大衆投機取引に過度に依存してきた取引所、受託業者の経営姿勢にありました。まさに誰が何時ボタンを架け間違えたのか、この問題に着目すれば長い歴史とその間に定着した業界文化が市場の近代化と、健全な市場流動性の育成にブレーキをかけ続けてきた足跡は歪められません。

 2005年の改正商取法に関連する一連の業界の清浄は、今後の市場発展を考える上で必然的なステップとして捕らえるべきであり、更には建設的な将来思考の中においって実績を伴った規制緩和を考えるべきと思います。先物市場に投機取引を踏まえた市場流動性の導入は不可欠なものであることは当然であり、誰もがかかる取引の必要性を否定するものではありません。

 当該取引の発生が大衆であるかないかに関わらず、公設市場として社会的信頼性を確立するには商業倫理に見合う健全な取引であることが常に根底にあることが重要です。取引の停滞はある特定の要因において発生しているものではなく、複合された多様な背景から生じているものです。長期にわたる市場の低迷は、日本独自のソフトランディングを前提とした行政と業界のプロセスにあります。市場構造改革は、市場環境変化に見合う敏速な対応が必須条件で、必然的にハードランディングにならずを得ないのが実情です。その点では行政、取引所、清算機構ともにかかる経験者の不在と言う事実も否定できません。

 <清算取引のあり方>

 精算機構(クリアリングハウス/CH)は取引所市場取引の履行を保証する重要な機関です。市場取引に関わる当事者間の経済的利害関係を遮断し、CH自らが契約上個々の取引に対する反対売買者となる事により取引当事者間の信用リスクを引き受ける機能を有するものです。従ってCHには自らの財務基盤の構築と最終清算リスクの引き受けを可能とする清算会員を組織化した上で充分なリスク管理能力を合わせ持つことが必須条件となります。

 昨年リーマンショックに続く経済不安、市場不安が台頭して以来、多くの店頭デリバティブ取引はCHを通じた規制取引に大きくシフトし、結果規制先物取引は178億枚と言う驚異的世界出来高に至ったものですが、精算機能の不備からわが国市場はその急成長に参加できなかったことは今後の市場発展に大きな課題を残す事となりました。

<市場取引活性化についての対応>

 商品先物市場の活性化は単に商品市場の問題として考えるべきではありません。市場の参加者、及び顧客は国内外の個人法人に関わる事無く証券、金融、商品市場を横断する視野に立って上場/店頭双方のデリバティブ市場を見ているものと捕らえるべきです。

 国際市場環境はわが国商品市場に対して追い風であることを認識した上で、どのような形で追い風を受けるかを考えます。更に、規制環境と市場が目指す方向性を認識すべきでしょう。即ち追い風とは、

 ・国際市場間におけるわが国市場、世界の市場で最も早くオープンする
  市場、欧米市場の狭間にある市場、国際的清算取引を可能とする
  市場である事等、

 ・市場参加者意識、市場リスク管理に加え、取引先信用リスク管理が
  不可欠な経済環境にある事

 ・投資運用市場としての商品先物市場としての位置付け と言うことに
  なります。
 
 私は日本の市場規模は縮小したのではなく、先物市場環境変化の過渡期において商品業界が必要とする調整がなされていると理解しています。商品先物市場が名実ともに金融市場に一環として位置付けられる事が、市場参加者の拡充を即し、質量伴う市場流動性向上に結実するものと考えます。

 FIAJは今後とも具体例、対策を論ずる機会を提供し新生先物市場の育成に取り組む所存です 。