【第43回-3】
有限会社エム・ケイ・ニュース社 代表取締役 益永研 様
今回も先物情報誌でおなじみのエム・ケイ・ニュース社代表取締役 益永研様に商品先物取引業界について大いに語っていただきます。今回は日本の先物市場が発展しない理由を更に掘り下げていただきました。ご期待下さい。 |
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| オーテック | ―日本の商品先物市場は「ヘッジの場ではなく投機の場」という人がいます。少し解説をしていただき、さらに証券市場を含め先物市場全体について厳しい環境が続いていることについても解説していただきたいと思います。 |
| 益永様 | 話が段々大きくなってきましたね。ご質問に対して適切な回答になるか分かりませんが、実態も交えて話をしたいと思います。 最初の「ヘッジの場ではなく投機の場」という問題ですが、これは値決めにいたる構造といいますか、資源の無い国の宿命でもあるかもしれませんね。 私が商品取引員の営業社員時代のことですが、味噌で有名な信州の味噌屋さんや各地の豆腐屋さんを回っていたときのことです。彼等は原料を仕入れて製品を作り、それを販売することで生計を立てているのですが、仕入れは全て商社に価格を委ねていましたし、製品は問屋の言いなりの値段でしか販売できていませんでした。つまり、仕入れも販売も全て管理されていたのです。 そこで、「先物市場を活用したら如何ですか」と質問すると、先物市場のことは知らないし、知っていても「先物市場は怖い」とのイメージが先行していたようでした。こうなると営業どころではありません。先ず商品先物市場の啓蒙といいますか、機能を十分に説明し、「企業を守るためには先物市場を活用することが重要です」ということから説いていました。 「在庫を抱えたときは先物市場でヘッジ売りを行い現物の値下がりをカバーします。また、先物市場は先行価格指標の場であると同時に需給調整機能がありますから、極端な安値が出たときは市場から現物を安く現受けすることも出来ます」と言った感じです。実需筋に対する啓蒙が行われていなかったのが最大の要因だと思います。 もう一つは二番目の証券市場を含めた環境の答えにもなることですが、日本人がリスクヘッジを知らないということに尽きると思います。そして、先物市場をギャンブルの場としてしか考えていないからでしょう。これも例を交えて説明します。 欧米諸国は「先物取引を行わないことこそリスク」という言葉があるぐらいに多くの人が先物取引をはじめとするデリバティブ取引を行っています。これはモノや証券等の現物を持っているときはヘッジをして、損を出来るだけカバーしようというのが半ば常識になっているからです。ですから、現物取引に対して先物取引があるのは当たり前だと思っていますし、農業等の保護政策にもヘッジ資金なら優遇するという手法が採られています。 一方、証券会社を例に取りますと、証券マンは「何も知らない人には勧めるな」が基本になっています。また、現物取引であればキャピタルゲイン(値上がり益)もさることながら、インカムゲイン(配当や株主優待等)も狙えることから、取引を長く継続できると考え、先物に移行することなど考えていないようです。 私なら「下落局面では先物でヘッジをかけておきましょう」と営業するのですが、根本に先物取引を頭から否定しているところがありますから、10年も塩漬けにすればいつか何とかなるでしょうと考えてしまうのです。証券マンは市場のメカニズムを知っていると思うのですが、それを投資家に教えていないのです。 要するに市場と制度に矛盾がある上に、雁字搦めに規制を強いていますから流動性が乏しくなるのが1点目、啓蒙活動を真剣に行う機関や投資仲介会社が少ないというのが2点目でしょう。 |
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