営業部門名の変更がもたらす効果
商品取引員や証券会社では女性の登用が遅れているように感じます。特に商品取引員ではその傾向が顕著で、課長職への登用は聞いたことがありますし、実際にその職務を遂行してきた人も知っていますが、部長職や支店長職、ましてや経営陣の一角を担う取締役への登用の話はまったく聞いたことがありません。これは性差と業務を結び付けている証であり、商品先物取引業界の特徴の一つだと考えます。
商品先物取引業界のもう一つの特徴は営業部門絶対主義です。一般顧客を相手にしている仕事ですし、手数料収入が収入全体の90%以上の収益構造ですから、営業部あってこその会社というのは理解できます。さらに超スピード出世や給与が高いことも仕方のないことかもしれません。その営業部門が一般顧客を相手にしてきた仕事だからこそ、現在発生している諸問題があるわけですし、収益構造が硬直化しているがために、法律改正等の諸制度の変更が企業収益にもろに響いてくるのです。
営業部門の本来の仕事は、お客様と市場を繋ぐことだと考えます。そして、お客様の注文を遅滞なく確実に執行しなければなりません。さらに、取引に関する情報(仕組・制度・注文受発注・結果情報・相場情報等)を提供し、お客様が安心して取引ができる環境を提供することで、その対価として手数料を頂きます。
そのお客様が個人だから損得の関係でトラブルが発生し、その対処には女性は厳しいということなのでしょう。ましてや部長や支店長の仕事は、多くの手数料を上げ、さらにお客様とのトラブルに対応するわけですから、その職責を女性が勤めるということは確かに厳しいことだと思います。
よくよく考えてみると、この商品先物取引業界のこの二つの特徴が様々な弊害を生んでいるのではないでしょうか。そして、そこに幾つかの問題(収益構造の硬直化・トラブルの発生・環境の変化に対する適応力の欠如・委託者サービスの低下・男性社会など)は生じているのではないでしょうか。
営業部門名を変えることを検討していただきたいと思います。商社のように、扱う商品を部門別に固定し、部門名もその扱う商品をそのまま表現するのです。例えば、穀物油脂部、貴金属部、コーヒー部のようにするのです。
それぞれの部はその名称の商品しか扱いませんから、その道のプロを育成できます。当然、取引する相手も必然的に法人が増えていくことでしょう。さらにそれまでと違う調査分析や研究の仕事も出てまいります。個人営業に向かなかった男性社員の活躍の場も増えてきますし、女性社員の登用も一気に進むことでしょう。経営にも新しい発想が芽生えることで、社会の変化に対する対応力も高まってくるものと思います。

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