商品先物市場の競争力強化へ(Ⅰ)金融・証券知識の蓄積を

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商品先物市場の競争力強化へ
                     (Ⅰ)金融・証券知識の蓄積を

   一昨年あたりから投資の世界は「商品の時代」と言われています。中東での長引く政情不安や保護貿易などによる供給不安、世界的な景気回復や新興国の台頭を背景にした需要増大がその要因であり、総じて右肩上がりの価格を形成しています。また投資マネーが商品市場に多く入り込むことで出来高は急増し、市場規模が拡大することで流動性が高まり、さらなる市場信頼性に繋がっていると考えられます。
    ところが、日本の商品先物市場は一昨年の手数料の完全自由化や法律改正などにより、出来高や取組高、預かり資産も大幅に減少してしまいました。本来であれば、手数料自由化は投資資金の流入に繋がるはずですし、法律改正により市場の信頼性は高まるはずですから、両方とも市場拡大に繋がってよい変化だったのではないでしょうか。さらに、最も委託者を引き寄せられる価格の右肩上がりが続いています。つまり、市場規模拡大には大きなフォローの風が吹いているはずなのです。
    日本の商品先物市場の低迷の原因はどこにあるのでしょうか。
    最大の原因は市場参加者層の構造にあると考えられます。日本の市場参加者は90%以上が個人投資家であるのに対し、欧米の市場参加者はその逆で10%程度が個人投資家だと言われています。また、それを証明するように売買の中心が日本は期先中心(個人投資家の投機中心の市場)であるのに対し、欧米は期近中心(企業等のヘッジや機関投資家のファンドなどが中心の市場)となっています。個人投資家は商品取引員の営業により市場に参入しているケースが殆どですから、法律により勧誘規制が強化されたことは大きな痛手になったのだと考えられます。
    もう一つは商品取引員の収入の大半が、個人投資家からの売買手数料に依存していることや、取引コスト及び人件費などの費用が嵩んでいることがあげられます。従って、手数料が自由化されたとはいえ、手数料を引き下げて企業間競争を行なう環境に無く、投資家は海外に比べて高い手数料を払わされていることがあげられます。
    商品先物市場を活性化するには、株式市場に向かっているお金を商品先物市場に振り向けることにあります。株式市場では日経225ミニ市場の創設以来、先物市場の認知が急速に高まっています。株式を取引する人はエネルギー市場や貴金属市場などの値動きは常にウォッチしているようですし相関も認められますから、株式のヘッジを商品先物市場で行なうことができるはずです。また、ポートフォリオに海外の商品先物市場を組み入れているファンドは沢山あります。
    株式市場から投資家を呼び込み、売買の中心を期近に引き寄せることが重要です。そのためには、商品取引員営業部門の方の金融・証券全般(金融・保険・証券など)の知識をさらに高めることが重要ではないでしょうか。