商品先物市場の競争力強化へ (Ⅱ)総合取引所

オーテック株式会社による業界展望等。

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商品先物市場の競争力強化へ  (Ⅱ)総合取引所

   今年4月に「総合取引所」案が政府から提言されました。「総合取引所」の実現に関しては非常に厳しいとは思いますが、商品先物取引業界の思惑次第では実現の芽も出てくるのではないかと思っております。
    証券業界では日本証券業協会が「総合取引所」に一定の理解を示し、賛成論を5月中旬に発表しました。商品先物取引業界では取引所首脳による否定論は発表されましたが、当事者の商品取引員およびその関連する団体の正式コメントは聞いておりません。業者としての声を発する時期にあるのではないかと考えています。
    「先ほど商品先物取引業界の思惑次第では・・・」と書きましたが、その理由は商品取引所が会員組織になっているからです。法律上は取引所の株式会社化も認められておりますが、現状では4商品取引所とも会員組織のままです。会員組織と言うことは、商品取引員が一致団結すれば望む方向に動く可能性があるということです。「総合取引所」の功罪を含めて詳細に検討し、意志を明確にすべきではないでしょうか。
    ODKISでも「総合取引所」について検討を重ねています。現状では行政面の整備が伴わない限り、実効性は薄いと思いますし、先日の発表された構想では実現性も乏しいと考えています。
    しかし、証券市場での先物市場の活性化、オプション市場の認知度の向上を見ますと、商品先物取引業界はその状況を利用するのは得策と思えますし、証券先物と商品先物の融合が時代のニーズであるとさえ思えてまいります。また、現在はグローバル化された市場が形成されているだけに、為替先物市場も含めたシングルライセンスで業を営まない限り、投資家にとっても大きなチャンス・ロスになるのではないかと考えます。
    かつて大蔵省時代に、銀行局、証券局、先物局の三局の構想があったと聞いております。これは米国方式の行政組織を作るということ、つまり米国先物取引委員会(CFTC)の日本版を作るということだったのだろうと思います。そうすることで、証券先物取引であれ、為替先物取引であれ、商品先物取引であれ一つのライセンスで業が営め、規制する法律も一つになり、業者側にも投資家にも分かりやすい制度で取引できたと思います。
    今回の提言は、法律等は現状のままにして、当時の証券局商品と先物局商品を取引所だけ同じ屋根に入れようというものですから少し乱暴かもしれません。従って、その実現性には疑問が生じるところです。しかし、産業インフラだとか金融インフラと言ってそれぞれ言い分はあるでしょうが、実態は大きな意味で金融に括られて全ての先物取引は融合して動いています。商品先物取引業界から「総合取引所」を持ちかけるのも一考ではないでしょうか。