リスク開示を義務付け

オーテック株式会社による業界展望等。

現在のページ位置

Home  > INSIDE View  > オーテックの視点

リスク開示を義務付け

   昨今の金融制度改革は英国の『金融サービス市場法』を基に行われており、全ての金融商品において利便性と透明性を追求しています。
   その一環として、金融庁と企業会計基準委員会は、債務担保証券など証券化商品のリスクについて、欧米並みの情報開示を義務付ける方針を固めました。世界の金融界を揺るがす「サブプライムローン」の問題は、融資先が低所得者向けであったことが問題の発端ではありますが、何もかも証券化し詳細の情報を開示しないまま金融商品として販売したことで、世界の投資家が大きな損失を被ってしまいました。
   しかも、問題が発生してから半年以上も経過しているのに、その全景すら見えず被害が拡大しているのが現状です。また、その影響で為替市場や証券市場は大きな打撃を受けています。特に、証券市場は全世界で下げ基調が止まらず、経済成長にも悪影響が出ており、特に先進国では景気後退も懸念されています。
   証券化商品の情報開示は、原則として企業に最大損失額の公表が義務付けられる予定です。また、市場で取引価格がつかない商品については、発行残高や評価方法の詳細な開示を求めることになると思われます。尚、今後のスケジュールでは金融庁が企業会計基準委員会に要請し、同委員会が「金融商品に関する会計基準」としてルール作りに年明けから着手します。
   予想損失額の試算方法は「バリューアットリスク」という統計手法が使われることになります。ただ、このバリューアットリスクはマーケットリスクを算出するためにも広く使われておりますが、過去のデータから予測した変動率を使って計算するために、新しく開発された商品に向くかどうかは疑問のあるところです。そこで、補完するのが「ストレステスト」であり、ブラックマンデーやアジアの通貨危機、9・11等の、想定外の状況のときを参考に予測を付加することになります。


バリューアットリスク⇒バリューアットリスクとは、一定期間に一定確率で発生する最大損失想定額のこと。VaRと略される。市場変動のシナリオを作成し、損益変動シミュレーションを行うことにより最大損失額を推定する方法(モンテカルロシミュレーション法)が使われることが多い。
ストレステスト⇒ストレステストとは、例外的だが蓋然性のあるイベントが発生した場合のリスクファクターの変動が金融機関の財務状況に与える潜在的な影響を検証する手法と定義することができる。