商品先物取引業の業態のあり方について
商品取引員の業態のあり方について、商品取引員各社で様々な検討が行われているようです。ただ、現状では制度面からの選択肢が少なく、商品取引員は方向性を見定めることができない状況にあるようです。
現在の商品取引員は受託取引員と取次取引員に二分されます。一部には嘗ての商品取引員が自己売買に特化したところもありますが、それも選択肢の一つとしては考えられることです。今回、JCCHが清算参加者の資格要件を強化しますが、この強化により受託取引員の凡そ1/3が非清算参加者になり、必然的に取次取引員を選択せざるを得なくなると考えられます。
該当となる一部の商品取引員は、外部からの資本注入や、商品取引員同士の合併(業界再編)で純資産等の諸要件をクリアしようとするところもあるようです。ただ、資本注入に関しては急激な業績の低下や業界イメージの観点から、積極的に資本増加に応じようとしているところはなく、また、合併についてもこれまでの状況を考えますと、一時凌ぎにしかならないとの悲観的な考えが多くあります。
さて、オーテックは経営方針『商品取引員様が安心して業務に邁進できる環境をご提供致します』にもあるように、商品取引員様と共に歩くことを社是としております。従って、予てから商品先物取引業の業態についても研究を行っております。
取次取引員経営に選択肢の幅を持たせるために、二つの提案を行いたいと思います。
一つはIB(イントロデュース・ブローキング)口座の解禁です。現在は制度上でオムニバス口座しか認められていませんが、05年の法改正時には主務省でIB解禁についても議論がなされたと耳にしています。しかし、どちらかというと商品取引員側が消極的であったようで、05年は解禁に至りませんでした。IBは顧客データが取次先に全て分かってしまうことから、業界人には受け入れられない制度であったのかも知れません。
IBの利点は一にも二にもコストの削減です。簡単に説明しますと、取次取引員が受託取引員の一支店のごとく業務を行います。従って、営業コストは同様にかかりますが、業務コストは殆どゼロといっても過言ではありません。欧米ではごく自然にIB制度を用いた受託業務が行われていますし、最近は国内のFX取引でもIBが活用されており、今後は商品先物取引でもごく一般的な営業手法として受け入れられると思っています。
二つ目は、先の「農産物商品市場の機能強化に関する研究会報告書」(平成20年5月公表)にもあるように、一定の条件を満たした外務員や商品取引員に対して「個人の投資一任勘定」を解禁することです。現状では法改正が必要ですが、最近の流れは「プロ化」が叫ばれているわけですから、一気に「個人の投資一任勘定」の解禁まで進むべきです。
業界関係者はこれまで以上の努力をして国民の信頼を勝ち取るなど、ハードルは高いかもしれませんが、商品取引が金融の一翼、産業インフラの一つとして成長するためには、是非ともここで勝ち取らなければならない制度ではないでしょうか。

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