投資家保護
社会生活において一番の弱者は「消費者」です。投資の世界においての弱者は「投資家」です。最近はこの「消費者」と「投資家」が同義語となり、「投資家」も「消費者」として位置づけられるようになりました。それを示したのが英国の『投資サービス市場法』です。投資サービス市場法には「投資家」という言葉が一切出てこなく、「消費者」という言葉で書かれています。
この英国の『投資サービス市場法』は世界の投資仲介業・取引に関する法律のお手本の位置付けにあり、日本でも同様の規制をかけようとして、様々な法律改正がなされてきました。05年の商品取引所法改正もそうですし、その後に証券や金融等で改正されてきた金融証券取引法や金融商品販売法、保険法、銀行法等も『投資サービス市場法』を見習って改正されてきました。
現在の商品取引所法は商品先物取引に関する法律(業法)ですが、取引所の構成や当業者に関する部分等は独自のものが示されていますが、取引に関する部分は証券取引や為替取引などを規制する「金融商品取引法」(証券取引法はすでに金融商品取引法に包括されています)と同じ仕組・構造になっています。今後は、欧米諸国を倣って取引部分は完全に同一法の中に組み込まれるのではないかと考えます。
さて、商品取引所法の改正の歴史は、「委託者保護強化」の歴史であると考えます。仕組や制度は時代の変化に対応して緩和されてきており、表現上は度々「規制緩和」という言葉が使われました。しかし、委託者保護の強化を行っても委託者クレームは増加の一途を辿っていたのです。
そして、当局が大鉈を振るったのが2005年の法律改正です。ところが、法律改正で勧誘規制を強化したとたん、売買高は細り市場規模は急速に萎んでしまいました。しかし、当局はそれでも委託者保護強化の手を休めることなく改正を模索。そして、産業構造審議会を通じて示したのが年末の指針でした。さらに、日本商品先物取引協会の「商品先物取引委託者保護総合プログラム」の策定、実施に繋がっていきました。
今後、委託者クレームを起こすと、商品取引員として業を行うことは不可能になると考えています。仮に、再びクレームが頻発すると、不招請禁止が法律に盛り込まれることは間違いありません。そうなりますと、現在の商品先物取引業の呼応像は完全に崩れ去ることでしょう。
クレームを起こさないためには、これまでのビジネスモデルを一掃する必要があります。つまり、委託者が儲けることによって取引員が繁栄するという構図です。嘗てのように新規開拓が無尽蔵に行える環境ではありませんから、お客様が儲けなければ業は行えません。取引員はお客様が如何にすれば儲かるかの研究が必要です。そこには惜しみなくコストをつぎ込んで頂きたいと思います。

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