委託者教育の重要性
今回号の「トピックス」に『委託者教育を本格的に始めませんか?』のタイトルで、株式投資家の実態を記しました。詳細はトピックスを読んで頂きたいのですが、新聞発行日の09年2月16日現在では株式投資家の95%以上が損を抱えており、その保有株をそのまま保有し続けると考えている人が8割にも上っています。その後、株価はさらに下げ続けていますから、現時点では回復の見込みは厳しいようですから、株式投資家の皆様の苦悩の日々は暫く続くものと思われます。また、保有し続ける理由は、「値上がりを待つ」「売るに売れない」が大半で、結果的に塩漬け状態をやむなくされているといったところです。
中には、株主配当や株主優待等のインカムゲインを狙った長期保有もあるようですが、この大不況で株主配当は大きく減少する傾向にあり、少々の株主配当を得ても含み損に追いつかないのは明らかです。投資は目的やスタイルが異なりますが、現在の状況は株式投資家の全てが損状態といっても過言ではありません。
さらに驚くべきは、株式投資家が損切り設定等、売買する上でのルールを作っていない(設定は16%のみ)ことです。これは、利益ばかりが念頭にあり、大きく損することを想定していないということです。また、損の確定(損切り)をさせることを怖がっており、やむなく塩漬けにするということですから、投資に対する心構えが全く出来ていないことを意味しているものと思われます。
商品取引の場合は幸い期限がありますから、長期保有することは出来ません。しかし、レバレッジが効いている上に、価格変動率も高く、しかも投下資金をさらに要求する追証制度があり、その後の急激な価格変動で投下資金すら保障されるものではありません。
商品先物取引では委託者のクレームが大きな社会問題です。株式投資の例を見ても分かるように、投資家は損切りができません。相場の格言では『損切りは早めに、利食いはゆっくり』がありますが、それを実践できる投資家はいないということです。言い換えれば、お金の続く限界まで損を保有するということですから、さらにゼロサムの商品取引でクレームが発生するのは道理です。
商品先物取引業界の低迷の一因がこのクレーム問題です。新規契約の際に十分に危険開示をしていても、実際にその内容を理解している人は少ないと思います。それは、人間誰しも都合の良いことが耳に残りやすいからです。また、契約しようと思った人は、利益の期待に大きく胸は膨らんでいるからです。
結果的に大きな損を出して「こんなはずじゃなかった」となります。委託者教育の重要性は業界人なら誰でも分かっていると思います。しかし、実際の営業現場では預かり優先・手数料優先になっているはずですから、相場動向の話に終始するものと思われます。教育方法や内容については皆様にお任せしますが、是非とも委託者のために、業界発展のために、商品取引員の発展のために、「委託者教育」をお願いしたいと思います。

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