商品先物取引市場の活性化と委託者保護に向けた主務省の 取組(1)
先ごろ、経済産業委員会調査室の担当の方が、「商品先物取引市場の活性化と委託者保護に向けた取組」という内容のレポートを開示しました。そこには、1.商品先物取引の現状と課題、2.改正商品先物取引法案の内容、3.主な論点、4.まとめ、に整理されていました。A4版に13ページ書かれており、ここでは全てを紹介できませんので、要点だけを纏めてお知らせします。<現状と課題>
・国内取引所出来高の減少
世界全体では2008年度には約18億枚と2001年度の3億枚から6倍増加しているが、日本は2003年度の1億5579万枚をピークに減少し、2008年度はピーク時の1/3、2001年度に比べ1/2になっている。(中略)
業界の構成を見てみると、2003年3月末時点で商品取引員の数が100社、登録外務員が14310人、委託者数が118230人であったものが、2008年3月末時点ではそれぞれ、70社、6588人、96012人といずれも減少傾向にある。さらに、2003年度に黒字会社は55社だったが、2007年度は16社に激減している。
・商品先物取引に係るトラブルの増加
商品先物取引を巡るトラブルは、相次ぐ商取法の改正による規制強化等の結果、全体では減少傾向にある。その一方、海先法の規制対象外である海外商品先物オプション取引及びロコ・ロンドンまがい取引に関するものが2006年度から急増し、2007年度は前年に比べて約2倍と大幅な増加になっている。
また、海外商品先物取引業者は、改廃業を繰り返して営業を継続する実態がみられるとともに、財務基盤が脆弱な業者が多く、被害者が損害賠償を行っても、業者が破産・廃業するなどして、被害回復が困難な事例が少なくない。
・商品先物市場の透明性の向上
近年、世界的な規模の資金移動が活発化し、商品市場への流入が増大し、実需と乖離した不当な価格形成や相場操縦行為が行われる恐れが生じている。こうした状況を踏まえ、2008年7月の北海道洞爺湖サミット首脳宣言において、「商品先物市場の透明性のための各国の関連当局の努力を歓迎し、関係当局の間の更なる協力を奨励する」旨の合意がなされた。
商品取引所をめぐる諸課題のうち、商品先物取引市場の縮小問題については、2007年12月、金融審議会金融分科会第一部会が「我が国金融・資本市場の競争力強化に向けて」と題する報告書を取りまとめ、産業構造審議会商品取引所分科会は「今後の商品先物取引市場のあり方について」と題する中間整理を行い、それぞれ、商品取引所と金融商品取引所の相互乗り入れに関する提言を行った。
その後、産業構造審議会商品取引所分科会において他の課題も含めた検討が行われ、2009年2月に報告書がまとめられた。この報告書を踏まえ、第171回国会に「商品取引所法及び商品投資に係る事業の規制に冠する法律の一部を改正する法律案」が提出された。
本法案は、1.主に市場の透明性に関するもの(第一条関係、公布の日から3ヶ月以内に施行)、2.主に商品取引所の規制緩和に関するもの(第二条関係、公布の日から1年以内に施行)、3.商取法・海先法の一本化、プロ・アマ規制に関するもの(第三条関係、公布の日から1年6ヶ月以内に施行)からなる。
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