リーマン・ショックの恩恵

オーテック株式会社による業界展望等。

現在のページ位置

Home  > INSIDE View  > オーテックの視点

改正商品取引所法について

 今夏改正された商品取引所法は「使いやすい」「透明な」「トラブルのない」商品先物市場の実現を目指しています。10月8日に第一弾が施行されましたが、今後は来年7月と再来年の1月を目処に、環境の整ったものから順次施行されていきます。

 最終的には商品取引所法と海外先物法を「商品先物取引法」として一本化し、国内外、取引所内外での取引について、隙間のない形で規制を行っていきます。これに伴い現在の商品取引員も海外先物業者、海外先物オプション業者も全て「商品先物取引業者」として許可を受けることになります。

 さらに、注目されるところは、2005年の法律改正で導入された再勧誘の禁止が強化され、「不招請勧誘の禁止」が導入されます。商品取引員にとっては厳しい措置と思われがちですが、既に証券や為替業界では導入されている制度であり、今後は知恵と能力の活用次第では、大きなチャンスが生まれる好機でもあります。新たなビジネスモデルの創造が、勝ち組としての地位を約束することでしょう。

 また、同時に「プロ・アマ規制」を導入し、商品先物市場の健全な発展を目指しています。「プロ・アマ規制」が導入されますと、プロについては、商品先物市場が身近でより円滑な利用を可能とします。アマについては、これまで以上の保護を実現し、安心して取引に参加することが出来るようになります。

 商品先物市場の出来高の推移を見てみますと、世界の取引高は直近5年間で4倍になっていますが、日本のそれは逆に1/3になっています。要因を一言で言えば、日本の商品先物市場が閉鎖された市場であったからではないでしょうか。
商品取引員が扱いやすい一般顧客を対象とするビジネスモデルしか存在しなかったことが、結果としてトラブルが多くなり、国民が商品取引の存在価値や利用価値を見出せなかったと思われます。流動性が細った市場に対して、機関投資家や実需者が敬遠するのは当然のことです。

 見かねた主務省としては「使いやすい」「透明な」「トラブルのない」商品先物市場の実現を目指すことにしたのでしょう。現在、流動性の低下と共に市場規模が縮小し、商品取引員の淘汰が進んでいることは、主務省にとっては想定内の出来事だと思います。しかし、もうこれ以上縮小することは主務省も望んでいません。その証拠が市場の信頼性と利便性向上のためのプログラムが動き始めています。

 東京工業品取引所が10月から投資信託の導入を意識して建玉制限緩和や、マーケットメーカー制度の導入を決めました。既に取引時間の延長も行われており、早晩24時間化も実現するでしょう。さらにJCCHでは清算資格要件にメスを入れていますし、スパン証拠金の制度も検討されています。

 今回の法律改正は日本の商品先物市場の新たな夜明けと位置づけられます。今回の法律改正の意義を業界全体が理解し、同じ目的を持って邁進することができれば、第三弾が施行される頃には、市場規模は明らかに右肩上がりの状況を作り出していることでしょう。