スパン証拠金制度について
日本商品先物振興協会は10月27日に市場戦略統合委員会を開き、JCCHが示したスパン証拠金制度について意見交換を行ったようです。業界紙の報道によりますと、導入には消極的な意見が多かったとのことです。
その理由としては次の項目が挙げられていました。
・同一取引所の同一市場内しか適用されず使い勝手が悪い。
・システム改修費用や売買見込みが明確ではない。
・スプレッド妙味が無く、逆に証拠金が高くなりそう。
・何故、この時期の導入か分からない。
この結果、協会としては導入に反対することもありうるとしていたようです。
スパン証拠金制度の導入について、オーテックでは市場振興策の一環になるのではないかとして研究を続けています。
証拠金とは本来リスクに応じて設定するものだと考えています。しかし、日本の商品先物取引では1枚当りの証拠金額が設定され、リスクに応じたものではありませんでした。その結果、オプション取引が上場されたにも拘らず、プレミアムを支払う買いしか委託者の選択肢がなく、売り方不在でオプション取引が消滅してしまいました。
委託者の投資戦略を考えるときに、基本的に両建ては禁止されている訳ですから、オプション取引を売りから入る活用も考えられます。しかし、先物取引にもオプションの売りにも別々に証拠金が必要になるわけですから、委託者は積極的な戦略は組めません。
投資のリスクを軽減しリターンを多く求めようとする場合、分散投資は基本中の基本になります。そこで、ポートフォリオの概念が生まれるわけです。しかし、スパン証拠金が採用されていなければ、投資効率は極端に悪くなってしまいます。従って、市場振興にはスパン証拠金制度の採用は不可欠と考えます。
日経225先物や日経225オプションが成功している理由は、225種構成現物と先物取引、オプション取引がスパンで計算され、証拠金が軽減されている(リスクに応じた設定になっている)のも一因です。
今後、商品インデックスを上場しようという動きがあります。これは貴金属や石油製品等を指数化し、組合せで上場しようというものです。日経225と同じように、商品インデックスの構成銘柄個々とインデックス先物、インデックスオプションがスパンで計算されるようになれば、商品先物取引の資金効率が数段向上し、利用者も多くなるのではないでしょうか。
スパン証拠金はCMEで開発された証拠金制度ですが、なかなか理解しにくいと言われています。そこで、オーテックでは金融機関に好評をいただいている一日一問に、商品先物取引の仕組や諸制度と同じように、スパン証拠金についても掲載しようと準備中です。社員の方の理解度が進めば、スパン証拠金制度の採用は必ず受け入れられる制度だと思いますし、商品先物業界の繁栄の礎を築けるものと考えます。

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