リーマン・ショックの恩恵

オーテック株式会社による業界展望等。

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FX信託保全について

 FX業界では2月1日から信託銀行に投資家の預け金を信託保全する制度が義務付けられました。これはFX業者が信託銀行に投資家の預け金を信託する事で、FX会社が破綻などの経営に支障が出ても、投資家の預け金が信託銀行から信託管理人を通じて返還されることを意味し、投資家は安心して投資を楽しめる制度です。
 
 この信託保全制度は相対取引に適用される制度で、東京金融先物取引所の取引所取引である「くりっく365」には適用されません。これは、取引所取引の場合は清算機構が存在するために投資家の財産が確実に保全されるのに対し、相対取引については清算機構がないために、FX業者および委託玉の繋ぎ先であるカウンターパーティに経営上の支障が発生した場合、投資家の預け金の返還が保障されないからです。
信託保全制度を導入するということは、裏返せば自己資金が潤沢な会社でないと経営が出来なくなることを意味します。

 この制度の特徴はカウンターパーティやFX会社の投資家勘定の分別管理を信用していないと言うことです。これまで、FX会社やカウンターパーティの経営破綻が数多くありました。特にレフコの破綻時は、数多くのFX業者が投資家から預かった証拠金を返還できない状態になり、大きな社会問題になりました。また、レフコ事件ではレフコをカウンターパーティにしていた商品取引員も多額の損失を被っています。

 さて、投資家の財産保全の流れを示します。

 信託保全制度は、投資家の預けたお金を完全に保全するという制度ですから、FX業者やカウンターパーティに預けるお金は信託制度の中には入りません。従って、基本的には自社資金で賄うケースが多くなり、自己資金が多い会社でなければFX会社を経営できないことになります。

 FX取引ではスワップ料を狙うための長期保有のケースと、日々の動きの中で差金を狙う超短期売買があります。この中でFX会社が自己資金を必要とするケースはスワップ料を狙う長期保有のケースです。

 会社は儲かっていても信託保全をするための自己資金がなければ、経営の維持が困難になります。最近、FX会社が頻繁に売買サインの出るプログラムを投資家に提供しているのはこのためです。

 今後、商品取引員も相対のCFDに参入するところが多くなると思われます。この際も、同様に信託保全が求められてくるでしょう。これからの受託業務成功には財務状況の優劣が決め手になるように思われます。