2010年にグローバルな工業品先物市場を実現する
10のアクション[3]
先に経済産業省が発表した「2010年にグローバルな工業品先物市場を実現する
10のアクション」については今回が最終回になります。発表された10のアクションは、
5つのカテゴリー(Marketing・Access・Governance・Inter-linkage・Clearinghouse)に
分かれています。今回もその全文をご紹介いたします。
1. 取引所間のグローバル競争に勝つための営業(Marketing)
《1》 営業(証券会社、機関投資家、石油など当業者向け)
資産運用における商品投資のリスク分散効果について理解を醸成し、貴金属等
を投資の対象とした投資信託、ETFの組成及び利用を証券会社、機関投資家等に
働きかける。
石油業界では先物市場を活用した公正で透明な価格形成と原油乱高下に対す
るリスクヘッジの必要性について理解が高まっており石油先物市場の活性化策を
検討・実行する。
2. グローバルスタンダードな市場構築による参加者の参入促進(Access)
《2》アクセスの見直し(国内当業者、海外投資家)
現在取引が休止している時間帯(午後3時半~午後5時、午後11時~午前
9時)について、石油市場の当業者や貴金属の裁定取引を行う投資家等のニーズ
を踏まえて、見直しを行い、24時間化を実現する。
米国など海外規制当局と当省との間で情報交換協定の締結を推進し、海外の
取引参加者が取引スピードを高めるため、取引所システムに直接接続するダイレ
クトマーケットアクセスを実現する。
《3》グローバルスタンダードなルールの導入
海外からの投資家のニーズなどに応えるため、現行制度を網羅的に見直す。
(例証拠金、口座管理の一元化)
《4》 税制の改善(金融所得税制の一元化、ヘッジ税制)
現行の会計規定と、税法上のヘッジ会計の適用要件との間に相違点があること
から、事業者に対する課税の適正化に向けて、関係者と調整を行う。
上場・店頭公開株式の譲渡損益や配当等、他の金融商品との損益通算を可能
にするため、個人投資家に係る税制改正に向けて、関係者と調整を行う。
3. 投資家のリスク管理意識の高まりに応える行政と
商品取引員ビジネス(Governance)
《5》 厳正な法令の執行とそれに対応したビジネスモデル
商品取引員は投資家を取引所へ呼び込む上で重要なチャンネルであり、ビジネ
スモデルを検討。不招請勧誘の禁止の例外「初期の投資額以上の損失が発生す
る可能性がない取引所取引」について早急に具体化。
《6》 市場分析監視
市場分析監視室において、システムを用いた分析・監視を実施。また、外国規
制当局と協力し、国境を超えた相場操縦についても監視を強化する。
4. 券市場など関連市場と商品市場の連携の強化(Inter-linkage)
《7》 証券取引所との連携強化(ETF、インデックス商品、その他排出権の動き)
商品市場の競争力強化の観点から証券市場との連携の強化が求められてお
り、本年7月からは相互乗り入れが可能になる。商品ETFなど証券取引所で上場さ
れる商品を通じ商品取引所における取引を活性化する。
《8》 OTC取引(店頭取引、over-the-counter)との連携強化
事業者は価格変動リスクを回避するため取引所取引の他、金融機関等とOTC
(店頭)取引を行っている。商品の生産・流通構造やOTC取引の実態を把握し、取
引所との連携策を探る。G20やIOSCO(国際証券監督機構)における市場の透明
性の向上の要請も踏まえ、OTCクリアリングや取引情報蓄積機関のあり方につい
て検討する。
5. クリアリングハウスの機能強化(Clearinghouse)
《9》 スパン証拠金の導入(異なる限月間の売建玉と買建玉の相殺)
企業のリスク管理意識の高まりに応え、商品先物市場を活性化するため、
JCCH(株式会社日本商品清算機構)は現在の証拠金制度について、先進国の
証券・商品市場と同様に、リスクに見合った制度(証拠金)とする。
《10》 信頼性・確実性を向上させるための財務基盤の強化
JCCHは決済不履行の発生防止及び発生時の確実な損失補填の仕組みを
拡充し、違約対策財源を強化する。清算手数料で運営経費をまかない、運用益で
違約対策財源を積み立てるというビジネスモデルを検証・再構築する。

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