商品先物市場の活性化するために・・・
中国先物市場の規模拡大には目を見張るものがあります。2009年度で出来高世界一を達成し、今後もその地位をゆるぎないものにするための努力を続けていくことでしょう。この中国の発展はアジアにおける価格決定メカニズムの中から日本が取り残されることを意味し、日本の経済政策が片肺飛行になることを意味しています。また、日本にとって非常に脅威であるとともに、国益を著しく減少させることにも繋がります。先物市場は将来の価格の先行指標にならなければなりませんし、実需者のリスクヘッジの場、需給調整の役割などがあります。そして投機家が資金運用手段として先物市場を利用し、同時にリスクの担い手として重要な役割を果たしています。
先物市場といえば欧米、とりわけ米国の独壇場の感がありました。しかし、中国はその牙城を崩し、少なくともアジアにおいては先物市場の覇権を国策として握ろうとしているのです。
米国と中国は先物市場に関して非常に似通った政策を取っているような気がします。特に農業分野においては、農家の保護育成策のために先物市場の有効活用しているところは確実に一致しています。それは、日本のように農家に対してお金をばら撒くのではなく、農家の自立、リスクヘッジ、需給調整のために先物市場を活用させると言うこと。そのための教育と支援が農業政策の基本なのです。
2005年の法律改正以降、日本の商品先物市場は窮地に立たされています。本来であれば、欧米や中国のように先物市場の機能を満足させなければならないのに、日本の商品先物市場は資産運用の場、投機の場として走りすぎてしまいました。そしてトラブルが多く発生し、規制強化を続けることが行政の仕事になってしまったのです。
経済政策と先物市場、農業政策と先物市場、金融政策と先物市場について考えるのが当局の仕事のはずです。しかし、現状はと言えば先物市場の受託規制の強化が当局の仕事になってしまっています。このことが日本の商品先物市場の発展を阻害する根本的な要因であると考えます。日本の先物市場が活性化することは日本経済にとっても大きなプラスですから、国の政策として先物市場の活性化を真剣に考えることから始めなければならないと考えます。
商品取引員が国に頼りきっていては、企業も業界も成長はありません。自らの力で、自らの改革をする必要があります。今、必要なことは国民からの信頼、行政からの信頼を取り戻すことです。また、行政は自らを改革した商品取引員を信用しなければなりません。行政との関係再構築と啓蒙活動が繋がれば国民の信頼は回復するでしょう。当局には「規制から育成へ」の行政を本格的なものにして欲しいと思います。
商品取引員がしなければならないことはミドルリスク/ミドルリターンの商品開発です。来年からはスパン証拠金制度もスタートしますから、アービトラージの商品開発は最も身近なものではないでしょうか。そして、IB制度の有効活用だと考えます。IB業者の候補は会計士、税理士、保険代理店、自動車ディーラー、ガソリンスタンドなど沢山存在しています。自ら当業者を開拓することも必要ですが、地域に密着したIB業者の発掘も有効な手段ではないでしょうか。

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