内部統制の主役は経営陣です
09年3月期の決算から上場企業やそれと連結決算を組む企業に対して、「財務報告に係る内部統制報告制度」が導入されます。本制度はライブドア事件やカネボウ事件などの相次いだ上場会社の不祥事で、信用が失墜した証券市場の信頼性回復のために導入されました。上場会社が公表する有価証券報告書などの財務情報を作成する手続きが、適性且つ適法に行なわれているかを示すもので、投資家に対するディスクロージャーを強化し、投資家が判断を誤らないようにするものです。
上場企業における内部統制の確立は、投資家保護に資するものですが、逆の見方をすれば企業内部の透明性が高まるばかりではなく、企業の経営基盤が強化されることにも繋がります。また、内部統制のディスクロージャーにより、投資家の目が隅々まで行き届くようになりますから、経営者は責任意識を持って経営に当たらなければなりませんし、職員は業務遂行上の責任を遅滞無く確実に全うしなければならなくなります。
2006年5月に施行された会社法において、経営陣によるコーポレートガバナンスの実効性を向上させることが求められました。また、2006年6月に制定された金融商品取引法では、証券市場の社会的信頼を回復させることを目的に、内部統制報告制度を導入しその責任を経営陣に求めています。
金融商品取引法における内部統制の定義は次のようになっています。
内部統制とは、以下の4つの目的が達されているとの合理的な保証を得るために、「基本的に業務の有効性及び効率性」「財務報告の信頼性」「事業活動にかかわる法令等の遵守」「資産の保全」が業務に組み込まれ、組織内のすべての者によって遂行されるプロセスをいい、以下の6つの基本的要素から構成される。
・統制環境 ・リスクの評価と対応 ・統制活動 ・情報と伝達
・モニタリング(監視活動) ・IT(情報技術)への対応
さて、企業不祥事に対する昨今の世論は、「責任者を明確にし、その責任の範囲も明確にすることが重要」としており、内部統制報告制度ではそれを怠ると、刑事罰が課せられるようになっています。したがって、内部統制に関する主役は経営陣ですし、その最高責任者は代表取締役社長であり財務部門最高責任者になっています。
商品取引員は10社以上が株式を上場しておりますし、最近は系列化が進み上場会社の連結対象になっている商品取引員も増えています。自らは株式を公開していなくても、親会社が上場していれば、連結子会社も内部統制報告制度の適用対象になります。また、将来的には法人に対して、全て適用されるのではないかと考えています。

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