株券不発行

オーテック株式会社による業界トピックス。

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株券不発行

   2004年6月9日に「社債、株式等の振替に関する法律」が公布され、その後5年以内(2009年が期限)に、一律に株券不発行制度(株式のペーパーレス化)に移行し、新たな制度の下で保管振替制度が運用されます。
   そこで問題になるのが通称「タンス株(投資家が購入した株式等を自ら現物株券で管理・保管しているものをといい、相続や贈与等で取得した株式等を自宅に保管している場合などがこれに当たります)」の存在です。タンス株は証券保管振替機構等の管理外の株式等であり、法人でも相対で取得した持合株を現物株式で保管しているような場合には、個人所有のタンス株と同様の状態にあるといえます。
   タンス株は盗難や紛失のリスクがあるほか、取得日や取得価額が不明であることが多いこと、株式名義人が不明であるケースなどが問題であり、税制面でも不都合が生じます。また、現行制度上では仕手が名義を隠すためにインカムゲインの権利を捨てて、相場操縦行うなど市場信頼性の欠如や脱税の温床にもなっていました。
   株券不発行制度は株券発行のコストを削減することや、流通管理に係るリスクを削減すること、税の透明性や平等化を図り、株式取引の決済の合理化・迅速化を目指すものです。さらに、証券市場の利用者の利便性向上並びにグローバルな証券市場として、基盤強化に資するものと期待されています。
   新制度の下では、株主の権利は金融機関の振替口座で電子的に管理されるようになりますが、既存の現物株券は新たな証券不発行制度への移行日をもって無効となってしまいます。つまり、振替口座外の株式であっても株主としての権利自体は株主名簿に名義が記録されていれば、安全に保全されることになりますので、タンス株の場合は名義書換を行っておく必要があります。もし、名義書換を怠った場合は、株主としての権利を失ってしまうことにもなりかねないので注意が必要です。現在、大手証券会社がテレビで「タンス株」についてのコマーシャルを流しているのは、株主に注意を喚起すると共にタンス株の取り込みを図っているからです。
   今回の新制度以降では、株式以外に新株引受権、新株予約権、新株予約権付社債、投資法人の投資口、協同組織金融機関の優先出資、資産の流動化に関する法律上の優先出資等の有価証券が広く対象となっています。また、非公開会社の株券については、株主総会の特別決議により、株券を発行しない旨の定款変更を行なうことによって、証券不発行制度に移行することになります。