排出権取引とは
排出権取引とは地球温暖化の原因とされる温室効果ガスなどの総排出量を抑制するために、企業や国が一定以上の二酸化炭素の抑制に成功したり、目標数値に抑制が足りなかった場合、抑制超過分や不足分を市場で取引することを言います。2005年に発効した京都議定書では、1990年当時の温室効果ガスの排出量を基準に、日本、EUなどの2012年時点での排出上限量が数値目標として決められました。
この数値を基準にして、例えば、A国が温室効果ガスの抑制努力をして目標数値をクリア、B国が目標に達しなかった場合、B国はA国から排出権取引によって、金銭で不足分を購入できるようにしたのです。また、それぞれの国の中では、京都議定書により定められた自国の排出量を守るために、企業に対して排出量の抑制を促しています。
例えば、C企業が温室効果ガスの発生が目標値よりも多くなった場合、もしくは多くなりそうな場合、目標値よりも抑制できた企業から排出権を現金で購入することになります。このシステムを市場取引という経済的手法に取り入れることによって、より柔軟に世界全体の温室効果ガスを抑制することを目標にしています。
尚、排出権取引における日本の現状については、京都議定書により国に対する目標値はありますが、企業に対しては国からの削減依頼に過ぎず、今後対策が詰められることになります。最近では環境省と経済産業省が動き出している上に、自由民主党でも今年になって勉強会を立ち上げています。
一方、日本経団連の07年10月のポスト京都議定書における地球温暖化防止のための国際枠組に関する提言では、「排出枠を行政が決定することは官僚統制を招き、企業の自主性を阻害する。また、産業構造等、将来の経済状況が正確に予見できない中、公平な排出枠の割当を行なう仕組を構築するのは困難である」として反対していました。
ところが、今年に入ってからEUをはじめ、多くの国が排出権取引を積極的に推進していることを鑑み、経団連の状況も少しずつ変化してきているようです。2月25日の御手洗会長の記者会見では、「国が割り当てる温室効果ガスの排出枠を排出権取引で企業が売買する方法が世界の主流であるならば、日本でも積極的に検討する必要があるだろう」と述べ、導入に対して方向転換してきています。
取引所としては東京工業品取引所と東京証券取引所、東京金融商品取引所が主導権をとるべく研究を始めているようですが、現状では明確な方向性を得られておらず、具体化までには暫く時間が必要のようです。

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