店頭デリバティブ規制強化=米国発
米国のガイドナー財務長官は5月13日、店頭デリバティブ市場を電子化し、価格の透明性を向上させると同時に、清算業務を一元化することで、先の金融不安の再発が防げると発表しました。発表された内容は次の通りです。
・すべての店頭デリバティブについて、当局の監督下にある中央決済機関を通じた
清算を義務付けるよう、商品取引所法を改正する。
・店頭デリバティブのディーラーと、大規模なカウンターパーティ・エクスポージャーを作る
企業はすべて、資本や営業基準、報告、委託保証金などの要件を含め、厳格な監督
と規則の対象とする。
・商品取引所法を改正し、証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)に、
店頭デリバティブ取引の記録と報告を義務付ける権限を付与する。
・中央決済機関で清算されていない取引はすべて、当局の監視下にある取引管理機関
への報告を義務付ける。
・標準店頭デリバティブ取引を、当局の監督下にある取引システムと透明性の高い電子
取引システムに移行する。
・市場監督当局に詐欺、市場操作などの不正行為を取り締まる明確な権限を与える。
・SECとCFTCに、先物市場における価格発見機能に大きな影響を与える
店頭デリバティブのポジションを制限する権限を付与する。
店頭デリバティブ取引は金融機関同士を中心にした相対取引が主流です。今回の規制の目的を整理しますと次に3点になると判断されます。
1.金融システム危機の再発防止
2.金融市場の透明性と効率性の向上
3.相場操縦などの不正取引防止
今回の規制で当局の目的は達成されると考えられますが、逆に90年代以降に急成長したヘッジファンドの経営が脅かされる懸念があります。また、膨張した金融取引が急速に萎むようなことになれば、投資マネーの行き先が迷走し、為替市場や商品市場のボラティリティが高くなり、市場の価格形成機能が混迷することも予想されます。
店頭デリバティブ市場が実体経済に及ぼす影響が強いことが実証された今日では、金融デリバティブ市場の拡大に疑問符がつくのは当然のことですが、規制強化により市場が急激に萎んでしまうことも経済の発展には影響があると考えられます。

サイトマップ



