ドバイショックとは
11月末に欧州通貨が急落し、円は1995年以来の高値をつけました。それまで、アメリカの金融政策が低金利に誘導されているとの報道で、ドルが各国通貨に下落傾向にあったこともあり、ドバイショックは資金の行き先を相対的に安全な円に一気に向けさせてしまいました。さて、そのドバイショックとはどのようなものでしょうか。
発端は11月25日に、アラブ首長国連邦のドバイ政府が、政府系持株会社ドバイ・ワールドの債務返済繰り延べを要請すると発表したことです。それまでアラブ首長国連邦は主にヨーロッパ資金を調達し、中東の金融や物流センターを作ろうとして急成長を続けてきました。
アラブ首長国連邦はペルシャ湾に位置し、比較的温暖な気候であることからリゾート地としても有名で、それまでも世界の富裕層がリゾートに訪れていました。そこに、ドバイ政府が壮大な金融や物流センター計画を打ち上げたことから、安全な運用先を探していた投資家(金融機関)たちは、政府系だということで疑いもなく投資に走ったというわけです。
オイルマネーの通過地点でもあったことから、世界各国からの資金調達をしやすかったのですが、ドバイ政府が発表した開発計画はとてつもなく壮大で、それが完成した暁には世界の金融センターになること間違いないとの判断が投資家たちによってなされたようです。
海岸を埋め立て超高層ビルや巨大ホテル、リゾート施設等が建設される様子を、世界のテレビ局がこぞって放映していましたので、その状況をテレビで見た方も多いと思います。
そこに大きな打撃を与えたのがリーマンショックでした。リーマンショックで生じた信用収縮でドバイ経済の減退が懸念されていた中にあっても、ドバイ政府がアブダビの銀行を通じて、債務の確実な返済の意向が表明していたことから、投資家たちは比較的安全な投資先であることを疑わなかったようです。
しかし、11月25日にアラブ首長国連邦を構成する首長国のひとつであるドバイ政府が、何の前触れもなくドバイ・ワールドの債権者に対し、590億ドル(約5兆円)にのぼる全債務について返済期限を半年以上繰り延べることを認めるよう要請したわけですから、投資家にとっては寝耳に水の出来事だったに違いありません。一気に金融不安として世界各国に広がったというわけです。
現在はやや落ち着きを取り戻しているようですが、新たな不安も取沙汰されており、今後も金融不安の要因であることは間違いないようです。

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