ギリシャ問題とは
ギリシャは2001年にEUに加盟した人口1100万人が住むヨーロッパの小国です。GDPの7割を観光などのサービス産業が占め、オリーブの消費量が世界一というのは有名な話です。また、我々が小さいころから教わってきたギリシャ神話や近代オリンピック発祥の地としても有名な国です。
ではなぜ、そのギリシャが世界の経済、通貨上の問題を起こしているのでしょうか。
実はギリシャでは去年10月に5年ぶりに政権交代が起きました。この政権交代がギリシャの抱える赤字、財政問題を炙り出したのです。新しい政権が国の赤字額を計算しなおすとGDP比12.7%もありました。旧政権が予測していた5%を上回る巨額の債務です。これに対して欧州委員会は「ギリシャは信用できない」とコメントを発表したとたん、ヨーロッパ16カ国で使われているユーロは短期間に10%も売られ、ユーロ圏を不安に陥れました。
ギリシャの財政悪化によって、体力(経済力)が違うヨーロッパの国々がユーロという同一通貨を持つこと自体が問題。つまり、ユーロを含めてEUの構造的な問題が浮き彫りになったと世界は考えたのです。さらにギリシャの国債をEU加盟国の銀行が大量に保有している上に、ギリシャの銀行に融資をしたり社債を買って支援をしているのです。このような状態でギリシャの財政が破綻すれば、ギリシャへの投資は不良債権化しヨーロッパ全体の信用収縮にも繋がります。
このことから、再び世界の金融危機を招く恐れがあるということがギリシャ問題と言われます。
ギリシャは観光立国で世界から多くの人達が訪れ、国の財政も確りしている上に国民の生活も豊かに見えがちですが、EU加盟の条件の一つである「財政赤字はGDP比3%まで」の条件を2001年のEU加盟後の2002年から1回しかクリアしていません。
その上に、インフレ率が高く国際競争力は低い状態が続いています。本来であれば金利を調整してインフレを抑える手段もありますが、金利については欧州中央銀行の専管事項となっており金利を触ることは実質不可能です。財政赤字の国は多くありますが、経常収支が黒字になっていれば国債競争力は維持できます。
EUについては、もともと「国の体力が違うのに集合体としては相応しくない。まして通貨まで統合すること自体が問題だ」という指摘がありました。しかし、船出してしまった以上、域内で助け合うのが本来の姿です。ところが、欧州委員会がギリシャを信用できないとしたから問題は更に大きくなりました。
今月中にはギリシャの現政権から財政改善の報告書が出される予定ですし、欧州各国はギリシャを支援すると表明していますが、財政上の問題はギリシャに止まらずスペインやアイスランドも抱えています。最近ではイギリスの問題も持ち上がっています。
欧州各国と貿易のある日本企業にすればユーロ安は大きな問題です。同じように他の国もユーロ安は企業業績や経常収支に関わる問題です。当分の間は、ギリシャのみならず、EU全体の問題として注意が必要のようです。

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