FX業界規制の変化と将来
外国為替証拠金取引(FX)は1996年に始まった主要6分野(高度情報通信、物流、金融、土地・住宅、雇用・労働、医療・福祉)の規制緩和策の中で、金融分野における金利の自由化と金融の自由化が生み出した産物です。日本における取引開始は1998年で、その歴史はまだ10年を少し超える程度です。
そのFXは2005年には完全に市民権を得て、一時は600社もあったと言われています。しかし、規制強化や競争激化によりその多くが淘汰を受け、今では100社程度に再編されました。
さて、今年はFX業界にとって大きな規制強化が二つありました。皆様ご存知の通り2月から始まった信託保全規制と今月から始まるレバレッジ規制です。
信託保全規制はカバー先の倒産やFX業者の倒産が相次いだために、顧客財産の保全が社会問題化したことが背景にあり、顧客の資産を信託銀行に預託することで守ろうとしたものです。FX会社は顧客の資産はそのまま信託保全しなければならない上に、自己資金を使ってカバー先に証拠金を預託しなければならなくなりますから、財務基盤の脆弱な会社はFX業を継続できなくなってしまいました。ある意味、金融庁が適格業者と不適格業者の財務上の色分けを行い、不適格業者にはFX業からの撤退を促したのです。
今月から始まるレバレッジ規制は、ハイリスク・ハイリターンの取引が過度になりすぎていたために、取引の適正化を求めて倍率を50倍以内にするというものです。聞くところによりますと、これまでは600~700倍ものレバレッジを利かせ、投機の場というよりの博打の場としての提供を行っていたところもあったようです。
倍率が大きければ大きいほど投機性は強くなります。投機性が高い場合、少しの価格変動で大きな損得が発生しますから、顧客の売買は頻繁になり、FX業者は多く利益を得ることができます。しかし、逆に顧客は損をする機会が多くなっていたようです。来月からは総ての取引が50倍以内になるように強化されますが、来年8月にはさらに規制が強化され倍率は25倍以下にすることが決まっており、投機性はかなり薄くなります。
この倍率規制の強化については、投資家も異論を唱えているようです。しかし、金融事業は健全であるべきですし、投資家にむやみに投機性を煽るのも如何なものかと考えます。この倍率規制ではFX業を行えなくなるとして既に事業撤退を検討している会社があるようですが、逆に淘汰再編が急がれるとして歓迎している向きもあります。そして、FX業者は30社程度まで減少するのではないかと言われています。

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