景気の先行きが不透明?

オーテック株式会社による業界トピックス。

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景気の先行きが不透明?

   7月21日に嘗て無い発言が飛び出しました。発言の中身は「経済見通しが依然異例なほど不透明である」と言うことで、発言の主は米連邦準備理事会(FRB)の最高責任者のバーナンキ議長です。

   唐突に「嘗て無い発言」と書き出してしまいましたが、FRBは米国の金融政策を担う部門です。米国の金融政策を担うということは、米国は世界の基軸通貨国ですし世界のリーダーを自負する国ですから、世界の金融政策を担う部門であるといっても過言ではありません。

   そこの最高責任者が発言したのは、上院銀行委員会で金融政策に関する半期に一度の議会証言を行う席でした。バーナンキ議長は必要に応じて成長支援に向け一段の措置を講じる用意があるとしたものの、証言用原稿で「FRBは金融緩和政策の最終的な解消について引き続き慎重な計画を策定しているが、その一方で、経済見通しが依然異例なほど不透明であることも認識している」と述べたのです。さらに、「物価安定を念頭に置きつつ、米国の潜在生産力のフル稼働状態への回復を後押しするため、引き続き必要に応じて一段の措置を講じる用意がある」と述べています。

   世界の金融政策のリーダーのこれまでの発言で、「経済見通しが依然異例なほど不透明である」と先行きが分からないことを述べることは無かったように思います。世界のリーダーが不透明というのですから、実際にそうなのでしょう。しかし、リーダーの発言ですから他国が動揺するのは当たり前のことです。日本ではNHKなどがトップニュースで報道していたのは、とても印象的でした。

   実はバーナンキ発言を裏付けるデータがいくつか発表されています。経済協力開発機構(OECD)が毎月算出している「景気先行指数(CLI)」で、南欧や中国、インドなどの新興国の経済成長が頭打ちになっているというのです。また日銀が7月末に発表した市場動向を分析する「金融市場レポート」によりますと、今年の上半期は「欧州周辺国の財政懸念や欧州系金融機関の経営状況に対する懸念を引き起こし、市場の先行き不透明感が強まった」ことを主因にして、「実態経済指標や金融システム関連の情報に大きく反応する神経質な地合が続く」と分析しています。

   さらに欧米の金利低下が著しく、デフレ懸念が世界各国に広がっています。このことから強いドルを標榜する米国の首脳は、逆に「ドル安が米国経済を救う」とまで発言しており、ますますドル不安説が世界を覆ってきました。

   バーナンキ議長は様々な経済指標や、米国の実体経済を見ての発言だったと思うのですが、バーナンキ議長の発言が無責任とは思いつつ、相当苦悩した後の発言だったのかなと変に納得せざるを得ない気持ちになった次第です。