15年ぶりの円高

オーテック株式会社による業界トピックス。

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15年ぶりの円高

   最近、テレビや新聞で円高のニュースを見ない日はありません。

   8月11日のNY外国為替市場で円相場が急伸、一時1ドル84円72銭と約15年ぶりの円高水準を付けました。その後は8月24日に83円ミドルまで更に円高が進み、経済の先行きに不安を残しています。世界的な景気減速への懸念が強まり、投資家が運用リスクを回避するとの見方が出て比較的安全である円が買われたことが要因のようです。

   8月11日の経済的な動きを見てみますと、前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文で景気認識を下方修正したことや失業保険の申請が増加傾向にあること、発展を続けている中国の鉱工業生産などの景気指標が軟化し景気後退が見られること、イングランド銀行が米国発の世界的な景気悪化をもとに経済見通しを下方修正したことなどがあげられます。

   思い起こしてみますと、15年前の1995年4月19日に米ドル/円は79円75銭をつけました。これが過去の円の最高値です。市場関係者の間では15年前の最高値を更新するのかどうかが関心事になっていますが、今回の円高局面ではどのような動きになるのでしょうか。

   実は2009年11月27日にも最高値を突破するかどうかの議論が沸きました。この時は84円82銭まで円が急進し、最高値突破も時間の問題とされていましたが、結局はその後落ち着きを取り戻しています。しかし、今回の円高はこの時の高値を突破し84円72銭をつけたものですから、今回こそはと騒がれているのです。

   円が買われる理由の一つに円キャリー取引というのがあります。金利の低い円を調達して金利の高い通貨を買う等、その他の投資に振り向けようとする動きです。しかし、最近では他国も経済の建て直しのために、金利を低めに誘導する金融政策を採用しており、今回の動きは円キャリー取引だけではないようです。

   日本の円相場が変動相場へ移行したのは、37年前の1973年3月からです。そもそものスタートは1971年のニクソンショックです。ニクソンショックは金とドルの固定比率による交換を禁止したことですが、このことが世界金融の秩序であるブレトン・ウッズ体制を崩壊させ、それまでの1米ドル=360円の固定相場を変動相場に移行させました。そして、政治・経済の緊急局面において円は高騰を続けていきました。

   1995年の過去の最高値の時点では、日本、米国、ドイツ等の主要国が積極的に円売り介入を仕掛けました。そして、米ドルは次第に持ち直し、1998年7月には144円80銭の戻り安値をつけました。

今回は世界的に景気後退が言われており、各国とも国内景気の回復を優先していますから、主要国同時の為替介入は難しいようです。日本は単独で為替介入するのか、はたまた市場の流れに委ねるのか注目されます。さて、過去の最高値を突破するのでしょうか?