取引所が株式会社化を急ぐ
様々な形で商品先物市場の改革が急速に進んでします。東京工業品取引所は金ミニ取引開始を皮切りに、損失を一定額に抑えるロスカット取引制度の導入をスタートさせ、同時に建玉制限の規制緩和、値幅制限の拡大、板を見られない個人投資家が対等の立場で取引できるように大口注文の非開示を実施しました。次いで今年度中に取引の2時間延長を実現し、来年度中には国際標準の取引システムの導入を計画、さらにはシステム導入の暁には取引の24時間化も視野に入れています。
足並みは揃っていないものの、他の取引所も売買仕法・売買システムの変更や新規商品の開発・上場に凌ぎを削ろうとしています。
さらに注目されるのは取引所の株式会社化への動きです。既に、東京工業品取引所が7月10日の臨時会員総会で来年中の株式会社化を可決しましたが、遅れていた関西商品取引所も株式会社化の検討を着手、既に検討に入っている東京穀物商品取引所や中部商品取引所も含めて全ての商品取引所が株式会社化を目指すことになりました。
各商品取引所とも一義的には「コンピュータシステムの開発資金などの資金調達のため」としていますが、実質は取引所の競争力強化と取引所の独自性を発揮することを目的にしているようです。
現在の商品取引所は会員組織で運営されています。取引所理事に加え、取引所外理事(会員等から選任)を含めて理事会(役員会)を構成し、最終的には会員総会を最終議決機関としています。従って、経営の舵取りは取引所側にありますが、最終議決権が会員総会にある関係から方向性の決定は会員総会に委ねています。
取引所の株式会社化は取引所にとっても会員にとってもメリットがありそうです。意思決定に関しては会員間の利害が衝突することもあり取引所は運営に苦慮していましたが、株式会社化により経営権は取引所が持つことになりますから、取引所側は独自路線を歩むことが可能になります。
また、資金面においては、現在は会員が出資金を拠出し、その資金を取引所運営にあてています。しかし、今後は出資された株式資金を基に運営をしていかなければなりません。これまでは取引が落ち込み予算通りの収入が得られない場合、取引所は会員に市場振興策と称して売買をお願いし、その場を凌ぐこともありました。今後は会員の資金負担は相当減額できると考えられます。

サイトマップ



