商取分科会 尾崎会長の講演
過日、日本商品先物取引協会が産業構造審議会・商品取引所分科会の尾崎会長を招いて、「商品取引所法改正の方向性と商品先物市場の将来」と題して講演を行いました。講演に先立って、尾崎会長は「このままでは日本の商品先物市場は埋没する」という考え方を示し、「商品先物取引業界関係者の全てが、商品先物取引の活性化に努力することが求められる」と強調しています。
そして、「商品先物市場は重要な産業インフラであり、信頼性と信用性、利便性のそれぞれが向上しなくてはならない」と産業構造審議会・商品取引所分科会の基本姿勢、および法律改正に至る基本的な考え方を述べています。さらに、「競争を促進することでサービスの質が高まり、市場は健全な形で発展していく」と、競争原理の導入こそが市場規模拡大には重要との認識を示しました。
今回の講演では、商品先物取引に関わる人々の心の問題を強く訴えています。あるべき市場の姿の模索、市場参加者のニーズの吸収、それらを踏まえた改革、それらに対して何を行えばよいかの問題意識など、「関係者の意識」が目先に捉われすぎていることに危惧し、それがスパイラル的な業界の悪化に繋がっていると分析していました。
尾崎会長は日本の商品先物市場の存続の条件として次の事項を挙げています。
・ 利便性(使いやすい市場)
・ 透明性/信頼性(トラブルのない市場)
・ 網羅性(商品取引所法と海外先物取引法との一本化)
また、「商品取引員の役割は商品先物市場の利用者のニーズを汲み上げ、適切に対応することだ」としています。要約すると「市場に投資家を引き込むのが仕事ではなく、市場を利用したい人のニーズを汲み上げ、その人達が満足するサービスを提供しなさい」ということになります。そうすることで、商品先物市場の利用者は増加し、市場規模が拡大、さらに商品取引員も繁栄すると考えています。
商品取引所や業界団体には、利用者が使いやすい売買システムを提供することや、透明性の高い市場を提供する等、商品取引員の行動を支援することが求められています。時には、厳しい監視の目も必要としていますが、業界関係者全ての努力を結集させることが先ずは重要としているところが今回の講演の基本になっているようです。
産業構造審議会・商品取引所分科会の報告書では、主務省を始め商品取引所や業界団体、商品取引員にいたるまで注文がついていました。これまでは、一方的に商品取引員に対する戒め的なものであったものから変化しています。商品先物取引に従事する人達はこのことを十分に理解し、関係者総出での努力を期待したいものです。

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