商取分科会 尾崎会長の講演

オーテック株式会社による業界ニュース。

現在のページ位置

Home  > INSIDE View  > 業界ニュース

東京工業品取引所の新システム 本稼動 

 

 5月7日に待望の東京工業品取引所の新システムが稼動しました。ゴールデンウィークを挟んでの本稼動であったために、初日から新システムの目玉の一つであるサーキットブレーカーがいきなり作動。また夜間取引も実施されたために、システムトラブルが心配されましたが、無事に初日を終了しました。
 
  ただ、12日に取引所に設置された共同利用型ネットワークゲートウェイ(NG)の一部で接続できない状態が発生し、取引が中断されました。原因は取引所側ルータが高付加状態に陥ったためと分かり、復旧を急ぎ中断は3時間あまりで解消しました。今回のトラブルで、取引所側は今後の対応策も検討できたということです。

 ところで、南学社長は7日に記者会見し次のように語っています。

 「国際的な取引所間競争は取引システムの優劣を巡る争いという側面を持っている。スタートするまでの一年間は緊張の連続であったが、無事にスタートできてホッとしている。アジアの中核市場としての地位を確固たるものにするには、引き続き改革に邁進していきたい。取引時間の延長により海外との裁定取引がより可能になるが、他にも取引ルールの変更がある上に、新システムに対する慣れも必要であろう。従って、直ぐに取引高の増加に繋がるとは思わないが、期待値も大きいことから今後は確実に増えていくだろうと思う。初日にいきなりサーキットブレーカーが発動されたが、混乱もなく安心した」

 一方で、商品取引員の現場では、いきなりサーキットブレーカーが発動されたこと等から混乱もあったようです。また、人員削減中の夜間取引であったために、勤務体制の変更が追いつかず、夜遅くまでの勤務に戸惑いもあったと聞いています。

 しかし、概ね好評であったとの印象を持っています。ある大手商品取引員の幹部は「サーキットブレーカー制度の導入は好結果をもたらすだろう。これまでの値幅制限方式では、制限値段に届いたときに流動性が極端に細ってしまい対策の選択肢は限られていたが、今後は様々な手段が選択できる。また、時間延長については機関投資家や商社、当業者などのプロの投資家は、ヘッジ機会が増えること、海外との裁定取引の機会が増えることなどから市場の利用価値は高まると判断しているようだ」としています。

 導入された新システムはスウェーデンの取引所運営会社のOMX社製で、世界的に採用されているシステムです。注文の処理速度はこれまでの50倍で、1件当たりは0.01秒となっています。東京工業品取引所に次いで、大阪証券取引所がOMX社のシステムを採用することが決定しており、現状では世界標準版とされています。

 新システムを提供したOMX社の副社長は、「今日は日本の取引所にとって祈念すべき日だ。新システムの稼動で世界のデリバティブ市場と肩を並べて競争できる。東京工業品取引所は世界で確固たる地位を築くだろう」としていました。

 7日の売買高はサーキットブレーカーが発動されたことや、商品取引員に戸惑いがあったことなどから低調に終わりましたが、今後は利便性の高まりが予想されることから、日本の商品先物市場の発展に大きく寄与するものと思います。