商取分科会 尾崎会長の講演

オーテック株式会社による業界ニュース。

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東穀取 取引手法を転換

 

 東京穀物商品取引所は6月29日の理事会で、現行のザラバ取引を9月末で廃止し、
10月から全商品を板寄せ取引に戻すことに決めました。

 東京穀物商品取引所によりますと、ザラバ取引は年間で3億円のコストを要し、取引所の経営を圧迫している上に、売買高も大きく落ち込んでいることが要因としています。
また、市場流動性を考えるときに散発的に出る注文では価格の連続性が維持できないことも板寄せ取引に戻す要因のようです。ただ、3年連続の赤字では取引所自体の存続問題も出てきますし、利益至上主義の株式会社化を考えたときに株主に対する責任も発生することから、今回の措置は致し方ないのかなとも思われます。

 一方では幾つかの問題も発生しています。東京穀物商品取引所は来年の10月には
東京工業品取引所が導入した取引システムの共同利用を考えており、今回は1年間の
暫定措置になるわけですから、取引参加者や商品取引員から理解を得られるのか
という問題です。

 皆様ご存知の通り、東京工業品取引所の取引システムはザラバ取引です。
しかも、24時間取引が年度内にも行われようとしています。ザラバ取引から板寄せ取引、さらに1年間で再びザラバ取引に戻るということであれば、取引参加者が混乱するのではないかという懸念、そして24時間取引についてはどうするのかなど、市場参加者に理解を得られるかどうかの問題があります。

 また、商品取引員は板寄せ取引に戻ることで、売買取次の際に新たな人員を必要とします。非常に経営が厳しいときに人件費を増やせるのかどうか、さらに、板寄せ取引に戻す際に新たに人員を補充せざるを得なかった場合、補充した人材をザラバ取引に戻ったときにどのようにするかという問題です。いずれにしても、赤字体質からの脱却は必要ですが、今後に問題を残すことは否めません。

 東京穀物商品取引所のシステム化の流れを追ってみましょう。
板寄せ取引によるシステム化は昭和63年の4月でした。それまでは市場代表者(場立ち)による手振りの売買で、立会場には場立ちの元気な声が飛び交い、商品取引員の店頭では場立ちからの声を市場部員が反復して全店に状況を伝えていました。

 その後、オプション取引でマーケットメーカー制度を導入した平成6年には、原市場(商品)に先駆けてオプション市場のザラバ取引を開始しました。さらに、平成10年6月に一部の商品でシステムによるザラバ取引を開始し、板寄せ取引とザラバ取引の2系統のシステム売買が行われることになりました。

 しかし、今回の措置でザラバ取引は消滅します。そして、約20年前に逆戻りする形で、システムによる板寄せ取引に一本化されます。板寄せ取引に戻すことで取引が活発化すればよいのですが、再び1年後にはザラバ取引に戻るわけですから、その後のことがまた心配されます。

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