各取引所の年頭所感
<東京工業品取引所>
取引基盤を整備する観点から、昨年導入したマーケット・メーカー制度を本格的に稼働させます。また、ブロック取引を新たに導入することにより、大口の注文でもマーケットの価格への影響を与えずに取引を成立させることを可能とし、事業者や投資信託などの機関投資家に対する取引の利便性を高めてまいります。さらに、ダイレクト・マーケット・アクセスの実現に向けた作業を急ぎ、国内外の多様な市場参加者が当社市場へ直接接続できるよう環境を整備します。
当社市場の魅力を向上させるため、上場商品のラインナップの充実を図ります。まず、機関投資家からの期待も大きい日経・東工取商品指数について、経済産業大臣の認可後、早ければ3月23日にも上場する予定です。さらに、石油会社やユーザーから強い要望が寄せられている軽油は、5月にも取引を再開する予定です。多様な市場参加者の参入を促進するためマーケティング活動を一段と強化します。株式会社化と同時に設置した全社横断的な営業本部が中心となって、石油当業者、プロップハウス、機関投資家、個人投資家等に対して積極的かつ効率的に市場参加を呼びかけてまいります。また、証券、金融からの間接的参入を図るために、当社価格連動のETFや投資信託の組成に向けて積極的に取り組んでまいります。このように①取引基盤、②上場商品、③市場参加者の3つの側面から的確な施策を実行することにより、市場の信頼性・利便性と高収益体質を同時に追求し、アジアの中核的取引所としての確固たる地位を固めてまいります。
<東京穀物商品取引所>
取引インフラの整備につきましては、中期経営計画に掲げられた東京工業品取引所と取引システム等を共同利用する方向について、準備作業を急ぎ、取引参加者の利便性の向上とシステムコストの負担軽減に努めることを検討しております。 昨年の商品取引所法の改正により取引所間の連携が容易になり、相互乗り入れも可能になりましたので、弊社の事業戦略にも幅が拡がり、時代の流れを捕まえた経営判断で、新たな可能性に向けた行動を起こしていきたいと考えております。 来年の一月に予定されている不招請勧誘の原則禁止の導入にも対応するため、一般投資家の方々が安心して取引に参加できるような新しい商品の開発や、私どもと商品取引員の方々とが共同して行うマーケティング活動を更に充実させ、商品取引員と共に産業の重要なインフラとしての機能を発揮し、業界の発展・拡大が図られるよう環境条件を整備して参りたいと考えております。
<中部大阪商品取引所>
【「使いやすい」商品先物市場を提供する取引所として】
・東京市場との差別化と相互補完
取引の集中による独占の弊害防止と国内における大規模災害時の補完機能を果たすべく市場を再構築するために、取引の活発化が見込めない商品の上場廃止と、同時に、新しい商品の上場を推し進めるスクラップ・アンド・ビルドを実施する。また、それを機会に取引所名称の変更についても関係者の意見集約を図る
・顧客としてターゲットとする投資家層への対応
これまでの当業者等への対応とマーケティング活動の継続に加えて、資産運用を目的とする投資家の参加促進を図る広報活動に努める。加えて、業界団体と歩調を合わせながら、中小事業者にも利用し易い制度設計について検討を重ねる。
・利用を促進し魅力を向上させるための取引所における品揃えの多様化
「金(gold)」地金を平成21年10月に上場することを実現すべく全力投球して取り組む。また、その後、GX(貴金属のロールオーバー取引)、総合商品指数、ニッチ商品等についても研究を積み重ねてその実現の可能性を探る。
・「板寄せ」取引における現在のメリットと将来ビションを踏まえたコスト面、戦略面での
対応方針(ザラバ化する場合における条件設定等)
現行の板寄せシステムを当面前提としていくため、板寄せのメリットについてのPRを積極的に行う。同時に、将来的に上場商品特性によって検討が必要となる他取引所等の取引システムの委託利用でのザラバ取引仕法の採用についても研究する。
・ガバナンス強化のための株式会社化と今後制度化が見込まれる金融商品取引所との
相互乗り入れへの対応
会員の動向や財務状況を踏まえつつ、機に即して株式会社化ができるように準備を万全としておき、その上で商品取引所法等の改正を踏まえた金融商品取引所との相互乗り入れについても調査していく。
・ユーザー視点に立った取引制度や設計の見直しと対応
当業者の更なる利便性向上のために、関係者の意見を聞きながら、建玉制限の緩和等の見直しを行う。また、海外市況との連動性の高い天然ゴム市場や石油市場における値幅制限の拡大等についてその実現を図る。更に、「金(gold)」地金の上場を機に、立会時刻の見直しを実施することとし、それに併せて、日本商品先物振興協会からの要望を踏まえた時間外取引導入について会員の意見を聴取していく。
【「透明な」商品先物市場を提供する取引所として】
・自主規制業務拡充のための取り組み
自主規制業務拡充のための取り組みの一つとして、内部統制の拡充等に努める。
・相場操縦に対応した体制整備のための取り組み
相場操縦に対応した体制整備のために取引所内部の連携を一層強化することとし、今後、行政当局との連携を可能とする体制整備等についても模索していく。
【「トラブルのない」商品先物市場を提供する取引所として】
・「トラブルのない」等に対応した商品設計の改善やそのための新規上場の実現
「金(gold)」地金の上場に当たっては、低レバレッジの商品設計等の導入を図り、商品先物取引に関心を向ける投資家への導入商品として育ていくこととする。その後、トラブルの少ないFX取引と同様の仕組みのGX(貴金属のロールオーバー取引)の検討に着手する。
・JCCHにおける財務要件基準への対応とユーザー視点に立ったロスカット・ルールの
導入への検討
本所受託会員のJCCHにおける財務要件基準の緩和を図るため、受託会員の声を聞きながら、ロスカット・ルールの導入へ向けて意見の集約を図る。
<関西商品取引所>
本年を心機一転の年と位置づけ、堂島以来の伝統を商品先物取引業界の共有財産と認識したうえで、明るい展望を切り開く気概を失うことなく、業界及び大阪の活性化に関する一翼を何らかの形で担うよう尽力して参りたいと考えています。 堂島の知恵で大阪の活性化を目指す運動を展開し、堂島ブランドはもとより、大阪における先物市場の社会的重要性について、地元政済界をはじめ、市民レベルまで広く浸透させるなかで、大阪活性化への一助となり得るような広報活動に取り組んで参りたいと考えています。 一層の経費削減をはかり、財務基盤のさらなる安定を目指すなかで、他市場との連携強化を通じて、悲願である米の新規上場に向けた準備や金融市場との融合を見据えた商品開発に関する研究を継続して参りたいと考えているところです。

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