総合取引所に向けて一歩前進
1月16日に金融庁、経済産業省、農林水産省の副大臣が会談し、株式取引や商品先物取引、金融先物取引などを総合的に扱う「総合取引所」を実現するための法案について、今回の通常国会に提出する方針を固めた模様です。内容は東京証券取引所と大阪証券取引所の統合で発足する「日本取引所グループ」に、東京工業品取引所などの商品取引所と金融先物取引所が乗り入れやすくするもので、金融商品を一体的に取り引きし、国際競争力を高めていこうというものです。
1月18日の日経新聞朝刊によりますと、監督、規制の権限は金融庁に一本化する方向で調整し、金融商品の特性等を考慮して、商品の新規上場、価格の乱高下などの時は経済産業省と農林水産省が対応を協議することになっています。懸案であった清算機構については統合する案が有力のようです。
総合取引所が誕生し清算機構が統合されますと、投資家は金融商品間を自由に行き来できますから、ワンストップで希望する金融商品を売買することができます。また、行き来が自由になることで市場の流動性が高まり、国際的にも信頼される環境が整うことになります。
ただ懸念されるのは売買システムの問題です。東京工業品取引所は17日の取締役会で2014年に期限が切れる現行システムの再リースを決議しました。しかし、証券取引所のシステムは東西の取引所のシステムをどのようにするか決めておらず、取引所が統合されても売買システムは別々になる可能性が残っています。
売買システムが別々の状態で進みますと、それぞれの金融商品の取引要綱と売買システムが別々になる可能性があり、投資家にとっては形式だけの統合で利便性は高まらないものと考えます。そのことを見越してか、東京工業品取引所の江崎社長の取締役会の後の記者会見では、再リースは決議したもののシステム変更にも含みを持たせる玉虫色的な発言になってしまいました。
取引所の売買システムの問題は、取引所だけの問題に止まりません。金融商品を仲介する証券会社や商品取引員にとって、新たな設備投資などのコストアップに繋がる可能性があります。また、売買システムの問題は海外投資家の賛同も得る必要があると考えます。
総合取引所の構築は世界的な潮流であり、一番遅れているのが日本でした。これは権限や既得権等の関係で、監督官庁間の調整が難航したことにあります。法整備が済んだ暁には、監督官庁並びに各取引所が意思決定を迅速にし、世界の投資マネーを引き寄せるために、是非とも遅れを取り戻して欲しいと思います。

サイトマップ



